「ちょっと…なんで私、犬の上司に溺愛されてるの?」
薄曇りの空の下、王都から少し離れたフェンリル騎士隊の詰所で、魔法兵のメロディア・ノノワールは静かに困惑していた。広い背中、ふさふさの毛並み、鋭い黄金の瞳…。見た目はどう見ても大きな狼。いや、狼というより犬寄りで、昔飼っていた愛犬とそっくり。だけど、ただの犬ではない。その名はディートリヒ。異動先の部隊長であり、彼女の上司、そして――
「ふっ、面白い女だ。私の花嫁にしてやろう」
――告白してくる存在でもあった。
この瞬間、私の読書人生は変わったと言っても過言ではない。
あなどるなかれ、このモフ。見た目だけでない中身も沼すぎる。
江本マシメサが描く『フェンリル騎士隊のたぐいまれなるモフモフ事情』は、いわゆる「異世界×恋愛×モフモフ」系のライトファンタジーだ。しかしその中身は驚くほど緻密で、キャラクターたちの会話や関係性の描写が、心にぐっと食い込んでくる。
特に注目すべきは、ディートリヒ隊長のギャップ。獣人という種族ゆえ、見た目はまるで神話の怪物のような迫力なのに、中身は超絶真面目で一途、そして不器用に愛を表現してくる。たとえば、初めての朝礼でメロディアに対して言い放った一言。
「寒くはないか?お前のためにこの毛皮がある」
――どう反応しろっていうの!?(そしてなぜちょっと嬉しいんだ私!?)
このような場面が繰り返されるたび、読者はメロディアと一緒に赤面し、爆発し、尊死しかける。恋愛描写の温度感が絶妙すぎて、もはや現実が味気なく感じられるレベル。
周辺キャラがまたいい味出してる
もちろん主役二人だけで物語が持つわけではない。脇を固めるフェンリル隊のメンバーたちがまた、クセ強で愛しい。無口な弓兵、料理が神がかってる鍛冶師、毒舌だけど頼れる副官…。それぞれに「モフモフの裏事情」があり、それがまた笑えて泣ける。
ちなみに副官のクロエはディートリヒ隊長の幼なじみという立場で、時折「まったく、あのバカ犬…」と呟くツンデレ担当。彼女の毒舌は物語にキレ味を与え、単なるラブコメにとどまらない深みを演出している。
作画が神。いや、本当に。
しの氏によるイラストがまたとんでもなく素晴らしい。電子限定の描き下ろしカラーイラストはまさに眼福。特に、メロディアがディートリヒの毛並みにうずもれているシーン――もう、そこだけで一冊分の価値があると断言できる。
ふわふわの質感、触感すら伝わってくるような毛並みの表現力。そしてちょっと困ったように微笑むディートリヒの表情。文字を追っているだけなのに、香りすら漂ってきそうなリアルさがある。
SNSでも話題沸騰。読者の愛が止まらない
「フェンリル騎士隊〜」はX(旧Twitter)やPixivコミュニティでも非常に人気が高く、ファンアートや考察が飛び交っている。特に「#ディートリヒ毛布になりたい」タグは一時期トレンド入りするほどの盛り上がりを見せた。
実際、ディートリヒというキャラクターは、単なる“イケメン犬”ではない。忠誠心、誠実さ、そしてメロディアへの盲目的なまでの愛――すべてがバランスよく混ざり合い、読者に「こんな恋、したい…!」と思わせる力がある。
アニメ化・グッズ化・ボイスドラマ展開への期待感
現時点では正式なアニメ化発表はないが、ファンの間では「これは絶対アニメ化する」との声が多数上がっている。特にボイスドラマでは、ディートリヒ役に誰をキャスティングするかでも盛り上がりを見せている。内山昂輝?中村悠一?それとも諏訪部順一?想像だけで脳内劇場が無限ループする。
加えて、最近ではアクリルスタンドやマグカップなどの限定グッズも展開され始めており、フェンリル隊の世界を物理的にも感じられるようになってきた。もちろん、筆者もすでに毛布と抱き枕カバーは購入済みである。
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物語に足を踏み入れた瞬間から、もう戻れない。あの毛並み、あの声音、あの抱擁――全部が現実のものになってほしいと願ってしまう。
モフモフを愛するすべての者たちよ、『フェンリル騎士隊のたぐいまれなるモフモフ事情』の沼に、ようこそ。


