「いやいやいや…なんで私が第一聖騎士隊の屋敷に!? しかも、手錠って…嘘でしょ!?」
薬草の香りが微かに残る、白魔導士セシルの自室とはまるで違う、緊迫した雰囲気が漂う豪奢な屋敷。そこに連れ込まれたセシルは、目の前に座る男にただただ圧倒されていた。
「君の薬、効いた」
低く響く声。社交界で“氷の聖騎士”と呼ばれる完璧超人・オズワルドの口から出たのは、まさかの依頼だった。
それは、宴会の最中に思わず彼に解毒薬をぶっかけてしまった“あの事件”から始まった不本意な邂逅だった。
「趣味じゃない」が始まりの合図──ギャップに沼る恋のフラグ
「お前は趣味じゃない。だから安心しろ」
あまりに率直すぎる言葉に、逆にドキリとしたセシル。貞操の危機は回避できたものの、そのあとで受けた正式な治療依頼に、彼女の運命は大きく動き始める。
呪いにより回復魔法すら効かないオズワルド。その体に、なぜかセシルの手作りの薬だけが反応したという。世間では“落ちこぼれ”と評されるセシルの白魔法だが、実は彼女のアプローチは極めて理論的かつ繊細。
「えっ、これ…マナの偏りが原因?じゃあ…!」
誰も気づかなかった呪いの本質を見抜いた瞬間、オズワルドの表情が初めてほころんだ。
白魔導士×聖騎士=“はちゃめちゃ”だけど“最高”なバディ感!
笹原智映の原作が描くテンポの良さに、駒田ハチのイラストが抜群にマッチ。
とにかくセシルのポンコツっぷりと根性が愛しい!転んでもただでは起きないどころか、転びながら謎を解いていく姿は爽快そのもの。そしてオズワルドとのやり取りは、ラブコメ特有の“じれったさ”と“スカッと感”が同居していて、読み手を飽きさせない。
特に“実はちょっとヘタレな完璧騎士”というオズワルドのギャップがたまらない。完璧に見えて、意外と人間臭い彼の内面が明らかになるにつれ、セシルとの関係性もじわじわ変化していく。
カラー描き下ろしも必見!ビジュアルにときめく仕掛けが満載
電子限定で収録されている描き下ろしカラーイラストは、二人の“進展”を匂わせる絶妙な一枚。毒々しい色彩の呪術陣の前に立つオズワルド、後ろから光を放つように佇むセシル。
視線が交錯する瞬間、ページをめくる指が止まる。その一枚が物語の鍵を握っているようで、まるで一篇の詩のよう。
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少し不器用で、でも真っ直ぐなふたり。
その関係が“治療依頼”から“対等なパートナー”へと変わっていく過程が、胸をじんわり温めてくれる。
『落ちこぼれ白魔導士セシルは対象外のはずでした』──それは名ばかり。読めばわかる、彼女は“中心”なのだ。


