「もう限界! 会いに行くわ、セロ!」
忙しさにかまけて恋人を放置しすぎたセロに不満を溜めた魔女イリーナは、ある日、彼から届いた一通の手紙を読んで決意した。
内容はほぼ愚痴。要するに「砦が崩れかけで人手不足、助けてくれ」──ということ。
ならば、私が行くしかないでしょう? そしてついでに、このまま結婚まで持ち込む! そんな熱意満々のイリーナが辿り着いた先は、想像以上にボロボロの幻想砦だった。
「恋人」だと思っているのは、もしかして私だけ? 魔女の一方通行ラブが笑えて尊い!
実はこのふたり、“(自称)恋人”。
魔法騎士のセロは真面目すぎる性格で、イリーナの想いにあからさまな反応を示さない。彼の中では「大事な人」であっても、「恋人」かどうかは曖昧なまま。
一方イリーナは、「好きになったら一直線」タイプの魔女。セロへの愛は誰よりも重たくて、情熱的で、少しズレていて、そこがまた可愛い。
「いいのよ、あなたがそっけなくても。私は勝手に幸せを育てていくから!」
そんなセリフに、読者も思わず笑ってしまう。
廃墟×魔法×恋の戦略=ドタバタなのに心あったまる!
幻想砦には、不思議な魔法の仕掛けや、修理が必要な設備が山ほどある。イリーナはその一つひとつを魔法と魔女の知識で解決しながら、ちゃっかり“居候”から“奥さんポジション”へと進出していく。
セロはそれに振り回されつつも、徐々に彼女への思いを自覚し始めるのだが──
「君がいると、静かだった砦が、あったかくなる」
この一言が出るまでの過程が、本当にじれったくて、尊くて、読んでよかったと思える展開に。
縹ヨツバ氏のイラストで描かれるふたりの温度差がたまらない!
元気いっぱいのイリーナと、表情に乏しいながらも優しさが滲むセロ。
縹ヨツバ氏の繊細なタッチは、ふたりの絶妙な距離感や、お互いに気づかれない想いの揺れを見事に描き出している。
イラストで見ると一目瞭然。「あ、これはイリーナのほうが完全に押してるな」と笑えて、それでいて愛おしい気持ちになる。
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『幻想砦のおしかけ魔女 すべては愛しの騎士と結婚するため!』は、恋の押し引きと日常のドタバタを魔法で包んだ、笑


