「顔が黒く染まると、その人は死ぬ」──死の予兆が見える少女と、何も語らぬ従兄の切なすぎるラブサスペンス!
突然、人の顔が黒く染まって見える──。
その能力を持つ少女・二葉凛花は、ある日突然、両親を事故で失い、ひとりぼっちになった。残された彼女を受け入れたのは、従兄の西宮朔(さく)。
彼は無口で、ミステリアスで、でもどこかあたたかい。
凛花にとって、彼は幼いころから唯一無二の“居場所”であり、憧れであり、そして初恋の人だった。
「大切な人の顔が黒く染まる」──その絶望と恐怖を、どう受け止めればいいのか
凛花の能力は呪いのようなものだった。
見えてしまったら、もうその人の死は止められない。どれだけ叫んでも、止めても、時間は残酷に過ぎていく。
「誰にも言えない。信じてもらえない。だけど、私は見てしまう」
この感覚を、紅蜜ゆず氏は繊細な描線とモノローグで読者に突きつけてくる。
そして、そんな凛花の能力を前に、朔はただ静かに微笑んだ。
「……凛花、お前は悪くないよ」
彼の言葉だけが、凛花を支える唯一の鎖になっていく。
謎多き従兄・朔の“優しさ”に潜む秘密が切なすぎる…
物語のもうひとつの核は、朔という存在そのもの。
彼は凛花を守るように暮らしているが、その行動や言葉の端々には、“何かを隠している”気配が漂う。
凛花に見せない書類。電話の会話。時折見せる曇った目。
「この人は、私に何を隠してるの?」
凛花の淡い想いが、朔の抱える“ある秘密”とぶつかるとき、物語はラブストーリーから一気にサスペンスへと表情を変える。
日常のすぐ隣にある“死”と“愛”──それが本作のリアルな魅力
本作は特殊能力を扱っていながら、決して異能に頼らない。むしろその力によって強調される“人の死”や“別れ”の儚さが、物語の芯を貫いている。
そして、それでもなお人を想う凛花の健気さと、彼女を突き放せない朔の優しさの交錯が、じわじわと心を侵食していく。
“好きだからこそ、隠さなければならないことがある”
その構図が、読者に深く重くのしかかる。
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『凛と花朔く魔女の恋』は、“死を知る少女”と“嘘を抱える青年”が交差する、哀しくも優しいラブサスペンス。
“見えるからこそ、愛してしまう”
──その痛みとぬくもりを、どうかあなたの目で確かめてほしい。


